当記事では、Core i9-13900Kの性能スペック及び搭載BTOパソコンについて紹介しています。Core i9-12900Kの後継モデルが販売されました。従来モデルのCore i9-12900Kでは16コア24スレッドでしたが、Core i9-13900Kでは24コア32スレッドとスペックが引き上げられています。Ryzen 9 7950XあるいはRyzen 9 7900Xの対抗モデルということになります。
Ryzen 9 7950Xが16コア32スレッドなのでスペック的にはCore i9-13900Kが上回りました。基本的にはAlder Lake世代のCore i9-12900Kを強化したモデルだと考えると良いでしょう。アーキテクチャ的に大きく進化したわけではなく、スペックを高くした分だけ消費電力が高く熱も発生しやすいです。
(+) Ryzen 9シリーズに匹敵する処理性能を持つ
(+) 現行トップクラスのゲーミング性能を持つ
(+) DDR5・DDR4メモリをサポートしている
(+) Intel 600シリーズと互換性がある
(-) アプリケーションによってはやや不安定
(-) 消費電力が高い
(-) 熱を持ちやすい
Core i9-13900Kの基本スペック
世代 | 第13世代 |
アーキテクチャ | Raptor Lake |
コア/スレッド数 | 24(8+16) / 32(16+16) |
定格クロック(P) | 3.00 GHz |
最大クロック(P) | 5.80 GHz |
定格クロック(E) | 2.20 GHz |
最大クロック(E) | 4.30 GHz |
内蔵グラフィックス | UHD Graphics 770 |
L2キャッシュ | 32MB |
L3キャッシュ | 36MB |
PBP | 125W |
MTP | 253W |
価格 | $589 |
目次
Core i9-13900Kのおすすめ用途
デュアル | 動画視聴 | 動画編集 | 動画投稿 | RAW現像 | マンガ | ゲーム |
☆ | ☆ | ◎ | ☆ | ◎ | ☆ | ☆ |
デイトレ | 実況 | デザイン | DTM | Skype | CAD | ビジネス |
☆ | ☆ | ☆ | ☆ | ☆ | ☆ | ☆ |
Core i9-13900Kのスペック比較
Intel製CPUと比較
Core i9-13900K | Core i9-12900K | |
---|---|---|
コードネーム | Raptor Lake | Alder Lake |
プロセス | 10nm | 10nm |
トランジスタ数 | - | - |
ダイサイズ | 257 mm² | 215 mm² |
トータルコア数 | 24 | 16 |
トータルスレッド数 | 32 | 24 |
Pコア(スレッド) | 8(16) | 8(16) |
Eコア(スレッド) | 16(16) | 8(8) |
定格クロック(P) | 3.0GHz | 3.2GHz |
最大クロック(P) | 5.8GHz | 5.2GHz |
定格クロック(E) | 2.2GHz | 2.4GHz |
最大クロック(E) | 4.3GHz | 3.9GHz |
オーバークロック | ◯ | ◯ |
L2キャッシュ | 32MB | 14MB |
L3キャッシュ | 36MB | 30MB |
メモリタイプ | DDR5-5600 DDR4-3200 | DDR5-4800 DDR4-3200 |
CPU内蔵グラフィックス | UHD Graphics 770 | UHD Graphics 770 |
PCI-Express | Gen 5 | Gen 5 |
TDP | 125W | 125W |
PPT | 253W | 241W |
価格 (実売価格) | $589 (105,800円) | $599 (79,980円) |
発売日 | 2022年10月20日 | 2021年11月04日 |
Pコアの定格クロックは6%低くなりましたが、最大クロックは12%高く5.8GHzに到達しています。メインストリームでは最高水準です。Eコアについても同様で定格クロックは8%低いですが、最大クロックは10%高くなっています。Eコアでも4.0Ghzを超えているのは驚きです。末尾がKの倍率ロックフリーモデルなのでオーバークロックに対応しています。
キャッシュ周りは大きく変更が加えられています。PコアのL2キャッシュが1コア当たり1.25MBから2MBになり、EコアのL2キャッシュも4つのコアクラスターごとに2MBから4MBへと倍増だ。結果的にL2キャッシュはおよそ2.3倍で32MBとなります。L3キャッシュも30MBから36MBへと20%増えました。ゲームプレイ時などに影響を与えるでしょう。
対応メモリについては、DDR5-4800からDDR5-5600へとワンランク規格が高くなりました。Core i9-12900Kと同様にDDR4-3200にも対応しています。CPU内蔵グラフィックスはUHD Graphics 770と同等です。わずかにグラフィックス周波数が高くなっただけです。PCI-ExpressはGen 5.0と共通です。TDPは125Wと変わっていませんが、PPTは10%高く253Wとなりました。価格は$10安いですが、実売価格ではCore i9-13900Kの方がおよそ26,000円高いです。
AMD製CPUと比較
Core i9-13900K | Ryzen 9 7950X | |
---|---|---|
コードネーム | Raptor Lake | Zen 4 (Raphael) |
プロセス | 10nm | 5nm |
トランジスタ数 | - | 131.4億 |
ダイサイズ | 257 mm² | 2x 70 mm² |
I/Oプロセス | - | 6nm |
I/Oダイサイズ | - | 124.7 mm² |
トータルコア数 | 24 | 16 |
トータルスレッド数 | 32 | 32 |
Pコア(スレッド) | 8(16) | 16(32) |
Eコア(スレッド) | 16(16) | - |
定格クロック(P) | 3.0GHz | 4.5GHz |
最大クロック(P) | 5.8GHz | 5.7GHz |
定格クロック(E) | 2.2GHz | - |
最大クロック(E) | 4.3GHz | - |
オーバークロック | ◯ | ◯ |
L2キャッシュ | 32MB | 16MB |
L3キャッシュ | 36MB | 64MB |
メモリタイプ | DDR5-5600 DDR4-3200 | DDR5-5200 |
CPU内蔵グラフィックス | UHD Graphics 770 | Radeon Graphics |
PCI-Express | Gen 5 | Gen 5 |
TDP | 125W | 170 W |
PPT | 253W | 230 W |
価格 (実売価格) | $589 (105,800円) | $699 (115,980円) |
発売日 | 2022年10月20日 | 2022年09月27日 |
Core i9-13900Kのコア数に対してスレッド数が少ないのはEコアがハイパースレッディングに対応していないためです。Core i9-13900KのPコアは8コア16スレッドに対してRyzen 9 7950Xでは16コア32スレッドと倍増です。Pコアが少ない分はEコア16コア16スレッドでカバーしています。Pコアの定格クロックはRyzen 9 7950Xの方が50%高く、最大クロックはCore i9-13900Kの方が0.1GHz高いです。Ryzen 9 7950Xもオーバークロックに対応しています。
L2キャッシュはCore i9-13900Kが倍の32MBです。L3キャッシュはRyzen 9 7950Xの方が78%多く64MBです。Ryzen 9 7950XはメモリDDR5-5200をサポートしています。DDR4には対応していません。Ryzen 9 7950XもCPU内蔵グラフィックスを搭載していてモニター出力などに対応可能です。PCI-ExpressはGen 5をサポートしています。TDPはRyzen 9 7950Xの方が36%高く、PPTはCore i9-13900Kの方が10%高いです。価格差は$110でRyzen 9 7950Xの方が高いです。国内価格もRyzen 9 7950Xの方が10,180円高くなっています。
Core i9-13900KってどんなCPUなの?
Ryzen 9 7950Xと同等以上のマルチスレッド性能を発揮
Core i9-13900KはEコアが倍増となったことでCore i9-12900Kよりも高いマルチスレッド性能を発揮するCPUです。24コア32スレッドとメインストリームにおける最高峰のスペックを持ちRyzen 9 7950Xと同等の性能を持ち、かつ同価格帯のRyzen 9 7900Xよりも高い性能を発揮します。用途によってはRyzen 9 7950Xと同等以上のパフォーマンスを期待できます。動画編集・エンコード・3D CADなどCPU負荷の高い作業を考えているクリエイターの方にこそおすすめしたいですね。
ただし、ハイブリッドコアアーキテクチャがうまく機能しないこともあってアプリケーションによってはやや不安定な挙動を見せることがあります。これは時間が経てばドライバーのアップデートで改善されていくでしょう。なお、Core i9-13900Kについては消費電力の高さは受け入れる必要があります。発熱量についても注意しなければいけません。具体的にはPCケース・CPUクーラー・電源ユニットなどワンランク上のモデルを選択しましょう。もっともCore i9-12900Kと比べて性能が大きく向上したことで省電力性は向上しています。
現行最強クラスのゲーミング性能を持つCPU
現行最強クラスのゲーミング性能を持つCPUと考えて間違いありません。純粋なアプリケーションの性能ではRyzen 9シリーズと同程度あるいは少し上ですが、ゲーミング性能ではしっかりと差をつけています。ハイエンドクラスのグラフィックボードと合わせるならより高いフレームレートを実現できます。高リフレッシュレートを目指す場合も有利です。予算に余裕があるゲーマーの方は選択肢に入れても良いと思います。
注意点としては、Core i9-13900Kは確かにゲーミング性能の高いCPUですが、コストパフォーマンスが最高というわけではありません。例えば、下位モデルであるCore i7-13700KやCore i5-13600Kならより安くCore i9-13900Kに近いゲーミング性能が手に入るためコストパフォーマンスが高いです。当然性能は劣りますが、それ以上に価格が安いため購入しやすいです。タイトルによってはCore i9-13900Kと同等のパフォーマンスを期待できます。Core i9-13900Kはハイエンドモデルにこだわりたい玄人向けのモデルだと言えるかもしれません。
Intel 600及びDDR4対応でコストを抑えられる
Core i9-13900Kは、旧世代のIntel 600シリーズチップセットやDDR4メモリをサポートしていることもあってプラットフォームを抑えられるというメリットがあります。最新のプラットフォームへの変更が必要なRyzen 7000シリーズとは違って有利な点として挙げられます。最新のIntel 7000シリーズチップセットとの違いは、PCI-Express 4.0のレーン数の追加及びUSB 3.2ポートの増加ぐらいです。
Intel 600シリーズチップセットでもIntel第十三世代CPUの性能を引き出すことができるので、わざわざ高価なIntel 7000シリーズチップセットを選ぶ必要はありません。また、メモリについてもDDR4-3200に対応していてコストを抑えることができます。まだまだDDR5メモリは高価なのであえてDDR4-3200を選ぶというのも良い選択だと思います。ユーザーに選択肢が与えられるのはメリットだと考えて良いでしょう。
Core i9-13900Kのベンチマーク
Cinebench R23
Adobe Photoshop
Premiere Pro CC
動画エンコード
Zipファイル
Core i9-13900Kのゲーミング性能
Borderlands 3
Far Cry 6
Elden Ring
Core i9-13900Kのその他ベンチマーク
消費電力
温度
Core i9-13900K搭載のおすすめBTOパソコン
G-Master Spear Z790/D5(サイコム)
価格:314,420円(税込)
CPU:Core i9-13900KF *カスタマイズ
GPU:GeForce RTX 3060
メモリ:DDR5-4800 16GB
SSD:500GB Gen4 NVMe
HDD:非搭載
LEVEL-R779-LC139KF-TAX(パソコン工房)
価格:374,800円(税込)
CPU:Core i9-13900K
GPU:GeForce RTX 3070
メモリ:DDR5-4800 32GB
SSD:1TB Gen4 NVMe
HDD:非搭載
G-GEAR GA9J-G223/ZB(TSUKUMO)
価格:387,300円(税込)
CPU:Core i9-13900KF
GPU:GeForce RTX 3080
メモリ:DDR4-3200 32GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
GALLERIA ZA9C-R38 第13世代Core搭載(ドスパラ)
価格:419,980円(税込)
CPU:Core i9-13900K
GPU:GeForce RTX 3080
メモリ:DDR5-4800 16GB
SSD:1TB Gen4 NVMe
HDD:非搭載
当記事のまとめ
当記事では、Core i9-13900Kの性能スペック&搭載BTOパソコンについて紹介しました。Eコアが倍増となって24コア32スレッドと従来モデルのCore i9-12900Kよりも大幅にスペックが引き上げられました。競合モデルであるRyzen 9 7900Xよりもマルチスレッド性能が高く、用途によってはRyzen 9 7950Xに匹敵するほどの高い性能を持っています。
ゲーム適性も高く現行最強のCPUだと考えて良いでしょう。搭載BTOパソコンのラインアップも増えて来ました。予算的には30万円以上が必要となります。ハイエンドクラスのグラフィックボードと合わせると40万円を超えることもあります。4K環境でのゲームプレイを考えている方におすすめです。
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価格 | ショップ |
5万円以下、5万円-10万円等 | ドスパラ、パソコン工房等 |
CPU | グラフィックボード |
Core i7-12700、Core i5-1240P等 | RTX 3070、RTX 3060等 |
当ページベンチマークテスト環境
- ソフトウェア:Windows 11 Professional 64-bit
- グラフィックス:EVGA GeForce RTX 3080 FTW3 Ultra
- メモリ:2x 16 GB DDR5-6000
- ストレージ:Neo Forza NFP065 1 TB M.2 NVMe SSD
- CPUクーラー:Arctic Liquid Freezer II 420 mm
- 電源ユニット:Thermaltake Toughpower GF1 1200 W
- マザーボード:ASUS X670E Crosshair Hero