当記事では、Core i7-1360Pの性能スペック及び搭載BTOノートパソコンについて紹介しています。2023年1月にIntel第十三世代Pシリーズの上位モデルがリリースされました。PBP は28Wと高めで15WのUシリーズよりもワンランク高いパフォーマンスを得られます。ハイブリッドアーキテクチャを採用していて12コア16スレッドというスペックです。
旧世代のCore i7-1260Pと基本的なスペックは同じですが、アーキテクチャが変わりクロック周波数が引き上げられています。それほど大きく性能が伸びているわけではなく、Core i7-1260P搭載モデルを所有されている方は買い替える必要はないと思います。LenovoやDellなどから搭載BTOノートパソコンが販売されています。
目次
Core i7-1360Pの基本スペック
世代 | 第十三世代 |
開発コード | Raptor Lake |
コア/スレッド数 | 12(4+8) / 16 |
クロック周波数(P) | 2.20 GHz |
ブーストクロック(P) | 5.00 GHz |
クロック周波数(E) | 1.60 GHz |
ブーストクロック(E) | 3.70 GHz |
内蔵グラフィックス | Iris Xe graphics |
PBP | 28W |
MTP | 64W |
価格 | $480 |
発売日 | 2023年01月04日 |
Core i7-1360Pのスペック比較
Intel製CPUと比較
i7-1360P | i7-1355U | i7-1260P | |
---|---|---|---|
コードネーム | Raptor Lake | Raptor Lake | Alder Lake |
プロセス | 10nm | 10nm | 10nm |
コア/スレッド | 12(4+8) / 16 | 10(2+8) / 12 | 12(4+8) / 16 |
ベースクロック(P) | 2.2Ghz | 1.7Ghz | 2.1Ghz |
ターボクロック(P) | 5.0Ghz | 5.0Ghz | 4.7Ghz |
ベースクロック(E) | 1.6Ghz | 1.2Ghz | 1.5Ghz |
ターボクロック(E) | 3.7Ghz | 3.7Ghz | 3.4Ghz |
L3キャッシュ | 18MB | 12MB | 18MB |
内蔵GPU | Iris Xe Graphics | Iris Xe Graphics | Iris Xe Graphics |
GPU EUs | 96 | 96 | 96 |
グラフィックス周波数 | 1.50 GHz | 1.30 GHz | 1.40 GHz |
メモリ規格 | DDR5-5200 DDR4-3200 LPDDR5-6400 LPDDR4-4267 | DDR5-5200 DDR4-3200 LPDDR5-6400 LPDDR4-4267 | DDR5-4800 DDR4-3200 LPDDR5-5200 LPDDR4-4267 |
PBP | 28W | 15W | 28W |
MTP | 64W | 55W | 64W |
単体価格 | $480 | $469 | $438 |
搭載PC価格 | 131,680円~ | 99,900円~ | 114,980円~ |
発売日 | 2023/01/04 | 2023/01/04 | 2022/02/23 |
内蔵GPUもCore i7-1260Pと同じIris Xe Graphicsです。GPUの実行ユニットも96と同じですが、グラフィックス周波数が0.1GHz高く1.5GHzになりました。もっともこれぐらいのスペック差であれば性能差を体感することはできないでしょう。メモリはDDR5-5200とより高クロックなものをサポートしています。PBP・MTPはそれぞれ28W・64Wと共通です。価格は$42高くなり、$480です。搭載モデルの価格も少しだけ高いですね。
同じRaptor Lake世代のCore i7-1355Uと比較していきます。Uシリーズの上位モデルでPBPは15W、MTPは55Wとなっています。主に軽量・小型のモバイルノート向けのCPUです。Core i7-1355Uのコア・スレッドは10コア12スレッドとCore i7-1360Pの方がPコアが2つ多くなっています。PコアのベースクロックはCore i7-1360Pの方が0.5GHz高いです。Eコアのベースクロックも0.4GHz高いです。PコアもEコアもターボクロックは同じです。
L3キャッシュ容量はCore i7-1360Pの方が50%多く18MBです。内蔵GPUはIris Xe Graphicsと同じですが、グラフィックス周波数がCore i7-1360Pの方が0.2GHz高いです。消費電力を抑えるためだと言えますね。メモリ規格は共通です。CPUの価格差は$11でCore i7-1360Pの方が少しだけ高価です。搭載PC価格は30,000円以上の差があります。Core i7-1360Pは消費電力が高い分本体の排熱などにコストが掛かることの現れだと思います。
AMD製CPUと比較
Core i7-1360P | Ryzen 7 7735U | |
---|---|---|
コードネーム | Raptor Lake | Zen 3+ |
プロセス | 10nm | 6nm |
コア/スレッド | 12(4+8) / 16 | 8 / 16 |
ベースクロック(P) | 2.20 Ghz | 2.70 GHz |
ターボクロック(P) | 5.00 Ghz | 4.75 GHz |
ベースクロック(E) | 1.6Ghz | - |
ターボクロック(E) | 3.7Ghz | - |
L3キャッシュ | 18MB | 16MB |
内蔵GPU | Iris Xe Graphics | Radeon 680M |
GPU EUs | 96 | 12 |
グラフィックス周波数 | 1.50 GHz | 2.00 GHz |
メモリ規格 | DDR5-5200 DDR4-3200 LPDDR5-6400 LPDDR4-4267 | DDR5-4800 LPDDR5-6400 |
PBP | 28W | 28W |
MTP | 64W | - |
単体価格 | $480 | - |
搭載PC価格 | 131,680円~ | 107,800円~ |
発売日 | 2023/01/04 | 2023/01/04 |
物理コアは12コアのCore i7-1360Pの方が多いですが、Ryzen 7 7735Uは8コア全てがパフォーマンス重視のPコア相当となります。PコアのベースクロックはRyzen 7 7735Uの方が0.5GHz高いですが、ターボクロックはCore i7-1360Pの方が0.25GHz高いです。L3キャッシュ容量はCore i7-1360Pの方が2MB多いです。Ryzen 7 7735Uでも内蔵GPUが搭載されています。アーキテクチャが異なるためグラフィックスのスペック比較はそれほど意味がありません。
対応メモリはCore i7-1360Pの方がより高クロックなモデルをサポートしています。Core i7-1360PはDDR4メモリをサポートしているのはポイントです。コストを抑えたい場合にメリットとなります。PBPはどちらも28Wです。搭載PC価格はRyzen 7 7735Uの方が抑えられています。
Core i7-1360PってどんなCPUなの?
ビジネス用途+αに適している
デュアル | 動画視聴 | ビジネス | Skype | 動画編集 | RAW現像 | デイトレ |
◎ | ☆ | 〇 | ☆ | 〇 | 〇 | 〇 |
ゲーム | ゲーム実況 | マンガ | デザイン | DTM | CAD | ゲーム開発 |
× | × | 〇 | 〇 | ◎ | × | × |
CPUの特性上グラフィックボードを搭載したモデルはほとんどなくグラフィックス処理はCPU内蔵グラフィックスに頼ることになります。Iris Xe GraphicsはCPU内蔵グラフィックスとしては性能が高いものの、外付けのグラフィックボードとの性能察は大きくゲームプレイ・ゲーム実況・3D CAD・ゲーム開発向けではありません。
ゲームについては解像度及び設定を落としてタイトルを厳選すれば対応できなくもないですが、快適とは言えないでしょう。これらの用途をメインに考えているなら末尾Hのハイパフォーマンスモデルを選択するべきでしょう。Hシリーズとは大きな壁があります。
一般向けPシリーズ(28W)の上位モデル
Core i7-1360Pは、いわゆる一般向けのPシリーズにおける上位モデルです。Core i7-1360Pの一つ上のモデルとしてCore i7-1370Pがありますが、ラインナップはほとんどなく実質Core i7-1360Pが最上位だと言えます。このPシリーズは、ハイパフォーマンスなHシリーズ(45W)と省電力性の高いUシリーズ(15W)の間に収まるモデルです。Core i7-1360PのPBPは28Wとなっています。
15WのUシリーズよりもワンランク高いパフォーマンスを持ちつつある程度小型のモデルでも採用されています。Hシリーズになるとグラフィックボード搭載モデルが多くなりますので、Pシリーズはグラフィックボードは不要だけど高いCPU性能を追求したいと考えている方におすすめです。うまくCPUのラインナップの隙間を埋めているように思います。
海外メーカーがいち早く取り入れている
Core i7-1360Pを搭載したBTOノートパソコンは、LenovoやDellなどの海外メーカーが中心となっています。デスクトップパソコン向けのCPUについては国内BTOメーカーでも取り扱いが早いのですが、モバイル向けモデルとなるとワンテンポ遅れる傾向にあります。2023年1月に発売されてすでに半年近くの月日が流れています。
残念ながら2023年5月時点で国内のBTOメーカーではほとんど取り扱いがありません。dynabookで少し取り扱いがあるぐらいです。ドスパラ・マウスコンピューター・パソコン工房などでは旧世代のCore i7-1260Pを販売中です。どうしても国産メーカーにこだわりたい方はもう少し待つと良いと思います。Core i7-1260Pとの性能差はそれほど大きくなく、割安感のCore i7-1260Pを狙うのも悪くありません。
Core i7-1360Pのベンチマーク
Cinebench R23
Handbrake
7-Zip
Core i7-1360Pのゲーム性能
CPU内蔵グラフィックスのゲーミング性能について見ていきます。基本的にはゲームプレイを目的としたCPUではないことを理解した上でグラフィックス処理性能を見ておくのは有益でしょう。いずれもFULL HD×標準設定となります。
Gears 5
Tom Clancy’s Rainbow Six Siege
Core i7-1360P搭載のおすすめBTOノートパソコン
IdeaPad Slim 5i Gen 8(Lenovo)
価格:124,850円(税込) 123,601円(税込)
液晶:14.0 WUXGA 60Hz
CPU:Core i7-1360P
GPU:Iris Xe Graphics
メモリ:LPDDR5-5200 16GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
New Inspiron 16 ノートパソコン(Dell)
価格:146,680円(税込)
液晶:16.0 WUXGA 60Hz
CPU:Core i7-1360P
GPU:Iris Xe Graphics
メモリ:LPDDR5-4800 16GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
RZ/MW W6RZMW7BAL(dynabook)
価格:304,700円(税込) 223,080円(税込)
液晶:14.0 WUXGA 60Hz
CPU:Core i7-1360P
GPU:Iris Xe Graphics
メモリ:LPDDR5-4800 32GB
SSD:1TB
HDD:非搭載
当記事のまとめ
当記事では、Core i7-1360Pの性能スペック&搭載BTOノートパソコンについて紹介しました。Core i7-1360Pは、Raptor Lake世代のパフォーマンスモデルです。Core i7-1260Pの後継モデルで同じ12コア16スレッドというスペックを持ちます。PBPは28Wで省電力モデルであるUシリーズよりも少しだけ高く、その分性能も上回っています。Hシリーズよりも消費電力が抑えられているのがポイントです。グラフィックボード非搭載モデルを選択できるので、CPU性能を重視したいユーザーにおすすめです。動画編集・画像編集・WEBデザインなどの用途にも対応できます。
搭載BTOノートパソコンはLenovoやDellといった海外メーカーが中心です。唯一の国産ブランドはdynabookです。dynabookの販売するモデルの価格は高めですが、本体の軽量化とバッテリー駆動時間の長さが特徴です。これらの点に魅力を感じる方なら選択する価値があります。今後ドスパラやマウスコンピューターなどが続ければユーザーの選択肢が増えることになります。
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価格 | ショップ |
5万円以下、5万円-10万円等 | ドスパラ、パソコン工房等 |
CPU | グラフィックボード |
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