当記事では、Core i7-13700Hの性能スペック及び搭載BTOノートパソコンについて紹介しています。2023年1月にCore i7-12700Hの後継モデルであるCore i7-13700Hがリリースされました。CPUコアはAlder Lakeのリフレッシュモデルで大きく進化しているわけではありません。Core i7-12700Hからの買い替えだとそれほどメリットはないでしょう。
それでも14コア20スレッドとモバイル向けモデルとしては高いスペックを持っています。ゲーミングノートPCやクリエイターノートPC向けのCPUだと言えます。ドスパラ・G-Tuneなど国内大手BTOメーカーから搭載モデルが販売されています。グラフィックボード非搭載モデルはなく価格はやや高いです。
目次
Core i7-13700Hの基本スペック
世代 | 第十三世代 |
開発コード | Raptor Lake |
コア/スレッド数 | 14(6+8) / 20 |
クロック周波数(P) | 2.40 GHz |
ブーストクロック(P) | 5.00 GHz |
クロック周波数(E) | 1.80 GHz |
ブーストクロック(E) | 3.70 GHz |
内蔵グラフィックス | Iris Xe Graphics |
PBP | 45W |
MTP | 115W |
価格 | $502 |
発売日 | 2023年01月04日 |
Core i7-13700Hのおすすめ用途
デュアル | 動画視聴 | ビジネス | WEB会議 | 動画編集 | RAW現像 | デイトレ |
☆ | ☆ | ◎ | ☆ | ◎ | ◎ | ◎ |
ゲーム | ゲーム実況 | マンガ | デザイン | DTM | CAD | ゲーム開発 |
◎ | ◯ | ◎ | ◎ | ◯ | ◯ | ◯ |
注意すべき点としてはあくまでもノートパソコンとしての評価でデスクトップ向けCPUとの性能差が大きいことです。例えば、同じIntel第十三世代のデスクトップ向けのCore i7-13700はCore i7-13700Hよりも40%近くパフォーマンスが高いです。同じCore i7シリーズでも中身は全く別物です。ゲームプレイなど負荷の高い作業を本格的に行うのであればデスクトップパソコンの購入も検討した方が良いでしょう。デュアル環境構築・動画視聴・WEB会議など負荷の軽い作業ではオーバースペックです。
Core i7-13700Hのスペック比較
Intel製CPUと比較
i7-13700H | i9-13900H | i7-12700H | |
---|---|---|---|
コードネーム | Raptor Lake | Raptor Lake | Alder Lake |
プロセス | 10nm | 10nm | 10nm |
コア/スレッド | 14(6+8) / 20 | 14(6+8) / 20 | 14(6+8) / 20 |
ベースクロック(P) | 2.4Ghz | 2.6Ghz | 2.3Ghz |
ターボクロック(P) | 5.0Ghz | 5.4Ghz | 4.7Ghz |
ベースクロック(E) | 1.8Ghz | 1.9Ghz | 1.7Ghz |
ターボクロック(E) | 3.7Ghz | 4.1Ghz | 3.5Ghz |
L3キャッシュ | 24MB | 24MB | 24MB |
内蔵GPU | Iris Xe Graphics | Iris Xe Graphics | Iris Xe Graphics |
GPU EUs | 96 | 96 | 96 |
グラフィックス周波数 | 1.50 GHz | 1.50 GHz | 1.40 GHz |
メモリ規格 | DDR5-5200 DDR4-3200 LPDDR5-6400 LPDDR4-4267 | DDR5-5200 DDR4-3200 LPDDR5-6400 LPDDR4-4267 | DDR5-4800 DDR4-3200 LPDDR5-5200 LPDDR4x-4267 |
PBP | 45W | 45W | 45W |
MTP | 115W | 115W | 115W |
単体価格 | $502 | $617 | $502 |
搭載PC価格 | 164,980円~ | 209,800円~ | 104,980円~ |
発売日 | 2023/01/04 | 2023/01/04 | 2022/01 |
Core i7-12700Hと比べた一番の違いはクロック周波数です。Pコアのベースクロックが0.1GHz、ターボクロックが0.2GHz高くなりました。また、Eコアについてもベースクロックが0.1GHz、ターボクロックが0.2GHz引き上げられています。L3キャッシュ容量は24MBと同じです。内蔵GPUもグラフィックス周波数が0.1GHz高くなっただけで性能の要であるGPU EUの数は変わっていません。
メモリ周りではより高クロックなDDR5-5200・LPDDR5-6400をサポートしています。PBPは45W・MTPは115Wと変更なしです。単体価格は$502となっています。搭載PC価格は164,980円~で購入できます。ちょうど一年振りに新しいモデルが発売となりました。大きな進化はないもののIntel第十一世代より前のモデルからの買い替えならメリットがあります。
上位モデルのCore i9-13900Hも同じ10nmプロセスを採用しています。14コア20スレッドとコア・スレッドはCore i7-13700Hと同じです。異なるのはクロック周波数と単体価格のみです。Pコアのベースクロックが0.2GHz、ターボクロックが0.4GHz高いです。Eコアのベースクロックが0.1GHz、ターボクロックが0.4GHz高いです。価格は+$115となります。搭載ゲーミングPCの価格も20万円オーバーからとやや高いです。
AMD製CPUと比較
Core i7-13700H | Ryzen 7 7735HS | |
---|---|---|
コードネーム | Raptor Lake | Zen 3+ |
プロセス | 10nm | 6nm |
コア/スレッド | 14(6+8) / 20 | 8 / 16 |
ベースクロック(P) | 2.4Ghz | 3.2Ghz |
ターボクロック(P) | 5.0Ghz | 4.75Ghz |
ベースクロック(E) | 1.8Ghz | - |
ターボクロック(E) | 3.7Ghz | - |
L3キャッシュ | 24MB | 16MB |
内蔵GPU | Iris Xe Graphics | Radeon 680M |
GPU EUs | 96 | 12 |
グラフィックス周波数 | 1.50 GHz | 2.20 GHz |
メモリ規格 | DDR5-5200 DDR4-3200 LPDDR5-6400 LPDDR4-4267 | DDR5-4800 LPDDR5-6400 |
PBP | 45W | 35W-54W |
MTP | 115W | - |
単体価格 | $502 | - |
搭載PC価格 | 164,980円~ | 169,800円~ |
発売日 | 2023/01/04 | 2023/01/04 |
L3キャッシュ容量はCore i7-13700Hの方が50%多く24MBです。Ryzen 7 7735HSは内蔵GPUにRadeon 680Mを搭載しています。GPU EUsは12で、グラフィックス周波数は2.20GHzです。Ryzen 7 7735HSの対応メモリはDDR5-4800及びLPDDR5-6400です。Core i7-13700Hとは違ってDDR4メモリはサポートしていません。
PBPは35W-54Wです。Ryzen 7 7735HSは省電力性の高いCPUとなっています。搭載PCの価格はRyzen 7 7735HSの方が少し高いです。ただし、選択するグラフィックボードやメーカーなどによって異なるため純粋な比較は難しいです。あくまでも参考として留めるにしておくと良いですね。
Core i7-13700HってどんなCPUなの?
14コア20スレッドの高パフォーマンスモデル
Core i7-13700Hは、6つのPコアと8つのEコアを持ち14コア20スレッドというスペックを実現したハイパフォーマンスモデルです。Intel第十二世代モデルから2つのコアを組み合わせたハイブリッドアーキテクチャを採用したことでかなり性能が引き上げられています。TDPも45Wとモバイル向けモデルとしては高めに設定されています。下位モデルのPシリーズやUシリーズよりもTDPが高く負荷に強いです。
ノートパソコンでゲームプレイ・ゲーム実況・動画編集・3D CADなど負荷の高い作業を行いたいなら候補に入るのではないかと思います。従来モデルのCore i7-12700Hよりも9%程度処理性能が高くCore i9-12900Hをも上回ります。メインストリームではCore i9-13900Hに次いで高いパフォーマンスを発揮します。ハイエンドクラスのCore i7-13700HXになると16コア24スレッド高スペックでCore i7-13700Hよりも10%以上も性能が高いです。
ただし、末尾HXのCPUを搭載したモデルはほとんどなく選択肢が少ないのが現状です。価格も高くなりますので、一般ユーザー向けとは言えません。冷却システムなどにコストが掛かるので仕方がないですね。一方で、Core i7-13700Hはラインナップ数も豊富で選びやすいです。メインストリームらしく価格もまだ手頃です。
CPU内蔵グラフィックスの性能はそこまで高くない
Core i7-13700HはCPU内蔵グラフィックスに実行ユニット96基を持つIntel Iris Xe Graphicsを搭載しています。CPU内蔵グラフィックスの性能は低くモニター出力や簡単な3Dグラフィックス処理のみ対応可能です。ゲームプレイ・3D CADには対応できないと考えておきましょう。フレームレートが低迷してカクカクしてまともにゲームをプレイできません。動画編集や画像編集でのGPGPU機能は期待できません。
Core i7-13700Hはハイパフォーマンスモデルという特性上外付けのグラフィックボード搭載モデルが主流となります。つまり、CPU内蔵グラフィックスの性能がそれほど高くなくても大きなデメリットにはならないということです。グラフィックス処理は外付けのグラフィックボードが担うからです。Intel Iris Xe Graphicsはおまけとして考えておきましょう。
モバイル向けCPUの中でも搭載モデルが多く人気がある
Core i7-13700Hはモバイル向けCPUのラインナップの中でも人気が高く搭載モデルが豊富です。ユーザーからすると選択肢が多いことで希望に合ったモデルを見つけやすいです。Core i7-13700Hを搭載したモデルは、ビジネスノートPCというよりもゲーミングノートPCやクリエイターノートPCが主流です。具体的にはゲームプレイ・ゲーム実況・動画編集・WEBデザイン・3D CADなど負荷の高い作業を考えている方におすすめです。
お仕事から趣味まで幅広く通用します。もしかしたら、今後グラフィックボード非搭載モデルが発売されるかもしれませんが、価格的にグラフィックボード搭載モデルと大きく変わることはないのではないかと思います。それならグラフィックボード搭載モデルを選ぶのが吉です。マウスコンピューターではエントリークラスのGeForce MX550搭載モデルとの組み合わせがあって売れ筋モデルになったこともあります。
Core i7-13700Hのベンチマーク
Cinebench R23
Handbrake
Adobe Photoshop
7-Zip
Core i7-13700Hのゲーミング性能
ゲーミング性能を測るベンチマークは省略しています。デスクトップパソコンに比べて純粋なCPU性能を計測することが困難だからです。ゲーミングノートPCの場合CPUよりもグラフィックスに依存することが多いです。つまり、CPUについてはそれほど意識しなくても問題ありません。Core i7-13700Hは、CPUとしては十分なゲーミング性能を持っていると考えて間違いありません。
市場を見れば多くのCore i7-13700H搭載モデルが見つけられることからもわかるでしょう。予算重視ならRTX 4050 Laptop/RTX 3050 Laptop、コスパ重視ならRTX 4060 Laptop、高リフレッシュレート/高解像度ならRTX 4070 Laptop以上のモデルを選択しましょう。ただし、Core i7-13700H搭載モデルはRTX 4070 Laptopがアッパーです。それ以上のグラフィックボードとなるとCore i9-13950HXなどハイエンドなCPUが採用されることが多いです。
Core i7-13700H搭載のおすすめBTOノートパソコン
GALLERIA XL7C-R45(ドスパラ)
価格:164,980円(税込)
CPU:Core i7-13700H
GPU:GeForce RTX 4050 Laptop
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 500GB Gen4 NVMe
TUF Gaming F17 FX707VU4(ASUS)
価格:219,800円(税込) 169,800円(税込)
CPU:Core i7-13700H
GPU:GeForce RTX 4050 Laptop
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 512GB Gen4 NVMe
G-Tune P6-I7G60BK-A(G-Tune)
価格:229,900円(税込)
CPU:Core i7-13700
GPU:GeForce RTX 4060 Laptop
メモリ:DDR4-3200 32GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
当記事のまとめ
当記事では、Core i7-13700Hの性能スペック&搭載BTOノートパソコンについて紹介しました。Core i7-13700Hは、Intel第十三世代のモバイル向け高パフォーマンスモデルで、主にゲーミングノートPCやクリエイターノートPCで採用されることが多いです。Alder Lake世代のCore i7-12700Hの後継モデルに当たります。14コア20スレッドとハイブリッドアーキテクチャを採用していて高いパフォーマンスを発揮します。
グラフィックボード搭載モデルが多く、高いCPU性能もあってゲームプレイ・ゲーム実況・動画編集・RAW現像・WEBデザインなどマルチに通用するCPUです。搭載BTOノートパソコンは種類も豊富で選びがいがあります。ドスパラ・マウスコンピューター・ASUSなど主要メーカーから搭載モデルが販売されています。
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