当記事では、「Core i5-9300Hの性能スペックと搭載BTOノートパソコン」を紹介しています。Core i5-8300Hの次世代モデルです。第九世代Coffee Lake-Refresh Hシリーズのエントリークラスに位置するCPUです。低価格帯のゲーミングノートPCやクリエイター向けノートでの搭載を想定しています。
海外メーカーを中心にラインナップが多いです。前世代のCore i5-8300Hの後継モデルです。なお、上位にCore i5-9400Hがありますが、国内では普及しておらず搭載されているモデルはありません。後継モデルは「Core i5-10300H」です。Comet Lake世代になってクロック周波数が引き上げられていますが、それほど性能が大きく伸びているわけではありません。
Core i5-9300Hの基本スペック
世代 | 第9世代 |
開発コード | Coffee Lake-R |
コア/スレッド数 | 4 / 8 |
クロック周波数 | 2.40 GHz |
ブーストクロック | 4.10 GHz |
内蔵グラフィックス | Intel UHD 630 |
TDP | 45W |
発売日 | 2019年4月22日 |
価格 | - |
目次
Core i5-9300Hのおすすめ用途
デュアル | 動画視聴 | 動画編集 | 動画投稿 | RAW現像 | マンガ | ゲーム |
☆ | ☆ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
デイトレ | 実況 | デザイン | DTM | Skype | CAD | ビジネス |
◎ | △ | ◯ | ◯ | ☆ | ◯ | ◯ |
モバイル向けハイパフォーマンスモデルの中でもCore i5-9300Hは4コア8スレッドとマルチスレッド性能が控えめです。コア数が多いほど有利になる4K解像度など極端な負荷が掛かる作業は苦手です。負荷が気になる方はCore i7-9750Hの方が良いかもしれません。
Core i5-9300Hのスペック比較
Intel製CPUと比較
i5-9300H | i7-9750H | i5-8300H | |
---|---|---|---|
コードネーム | Coffee Lake-R | Coffee Lake-R | Coffee Lake |
プロセス | 14nm++ | 14nm++ | 14nm++ |
コア/スレッド | 4/8 | 6/12 | 4/8 |
ベースクロック | 2.4GHz | 2.6GHz | 2.3GHz |
ターボクロック | 4.1GHz | 4.5GHz | 4.0GHz |
L3キャッシュ | 8MB | 12MB | 8MB |
対応メモリ | DDR4-2666 | DDR4-2666 | DDR4-2666 |
内蔵グラフィックス | UHD Graphics 630 | UHD Graphics 630 | UHD Graphics 630 |
TDP | 45W | 45W | 45W |
価格 | $250 | $395 | $250 |
搭載PC価格 | 87,133円~ | 99,980円~ | - |
発売日 | 2019年4月22日 | 2019年4月22日 | 2018年4月03日 |
プロセスも同じ14nmを採用しています。コア及びスレッド数は変わりません。ベースクロック及びターボクロックがともに0.1GHz増えているだけです。L3キャッシュ容量・対応メモリ・内蔵グラフィックス・TDP・価格とすべて共通です。
同じCoffee Lake-RのCore i7-9750Hと比較するともう少し違いがあって面白いと思います。コア及びスレッドが6/12とそれぞれ50%高くなっています。Core i7ではしっかりと差別化が図られています。ベースクロックは0.2GHz、ターボクロックは0.4GHz高いです。L3キャッシュも50%アップの12MBとポテンシャルの高さが伺えます。対応メモリ・内蔵グラフィックス・TDPは同じです。価格差は$145となります。
AMD製CPUと比較
Core i5-9300H | Ryzen 5 3550H | Ryzen 5 2600H | |
---|---|---|---|
コードネーム | Coffee Lake-R | Zen + | Zen |
プロセス | 14nm++ | 12nm | 12nm |
トランジスタ数 | - | 49.4億 | - |
ダイサイズ | - | 210 mm² | 246 mm² |
コア/スレッド | 4/8 | 4/8 | 4/8 |
ベースクロック | 2.4GHz | 2.1GHz | 3.2GHz |
ターボクロック | 4.1GHz | 3.7GHz | 3.6GHz |
L3キャッシュ | 8MB | 4MB | 4MB |
対応メモリ | DDR4-2666 | DDR4-2400 | DDR4-3200 |
内蔵グラフィックス | UHD Graphics 630 | 非搭載 | 非搭載 |
TDP | 45W | 35W | 35W |
価格 | $250 | - | - |
搭載PC価格 | 87,133円~ | 78,623円~ | - |
発売日 | 2019年4月22日 | 2019年1月7日 | 2018年9月17日 |
Ryzen 5 2600Hも同様ですが、ノート向けモデルでの消費電力の引き下げはやや不利です。これがパフォーマンスにどのぐらい影響を与えるかというところですね。第一世代Ryzen 5 2600Hはベースクロックが3.2GHzと高いもののターボクロックは控えめです。L3キャッシュは4MB、消費電力は35WとRyzen 5 3550Hと酷似しています。
Core i5-9300HってどんなCPUなの?
省電力モデル「U」よりもワンランク性能が高くなる
Core i5-9300Hは、末尾に「H」があるいわゆるハイパフォーマンスモデルのCPUです。このHシリーズの中ではエントリークラスのモデルですが、モバイル向けCPU全体で見れば性能は高いです。省電力モデルである「U」シリーズ、例えばCore i7-8565Uなどよりもパフォーマンスが高くなっています。
Core i7をも上回るのは魅力的ですね。性能を重視されたいという方は選択肢に入れても良いと思います。ノートパソコンで動画編集や画像編集なども行いたいと考えている方にとっては選ぶメリットがあります。
アーキテクチャはほぼ同じで前モデルとの性能差は小さい
Core i5-9300Hは、前世代のCore i5-8300Hとほぼ同じアーキテクチャを採用しています。性能差は小さいと考えて良いでしょう。Coffe Lake-Refreshの「Refresh」はリネームモデルということです。プロセスは同じ14nmで共通しています。Intel製CPUは長い間この14nmプロセスを採用していますね。
実質クロック周波数が5%ほど引き上げられただけです。それほど性能が伸びているわけではなく、Core i5-8300Hのユーザーが買い替える必要はありません。それでも競合のRyzen 5 3550Hよりも性能が高くゲーム適性が高いのはさすがです。
搭載モデルの価格がCore i7-9750と同等でコスパは高くない
搭載モデルの価格がやや高めなのでコストパフォーマンスは高くありません。上位モデルであるCore i7-9750H搭載モデルに近い価格設定です。ゲーミングノートPCを含めてハイクラスのノートパソコンになるとCore i7-9750Hが好まれる傾向にあります。
結果的にメーカーもCore i7-9750Hの販売に力を入れるので相対的に価格が上がってしまう状態です。なお、国内BTOメーカーからドスパラで販売されているぐらいで種類は多くありません。海外メーカーからは多くのモデルが販売されていてこれはCore i5-9300Hの強みだと言えます。
Core i5-9300Hのベンチマーク
Cinebench R20
それでもAMD Ryzen 5 3550Hと比較すると19%マルチスレッド性能が高く、27%シングルスレッド性能が高いです。動画編集やゲームプレイなどまで考えるのであればCore i5-9300Hの方が好ましいでしょう。ノート向けのCPUではIntelが圧倒しています。
X264 HD Benchmark 4.0
動きの激しい動画のエンコードを想定していてエンコード速度は遅くなる傾向にあります。一方、PASS 1はファイル内容を予測しながらエンコードを行います。予測のしやすい動きの小さい動画のエンコードに適しています。エンコード速度は早くなります。
これによるとPASS 2でもPASS 1でもCore i5-9300Hの方が、Ryzen 5 3550Hよりも高速です。Core i7-9750Hになると10%~40%程度速くなります。Ryzenシリーズはやや苦戦するという結果になっています。PASS 2においてはモバイル向けの省電力モデルであるCore i7-8565Uをも下回っています。
Core i5-9300H搭載のおすすめBTOパソコン
GALLERIA GCR1650NF(ドスパラ)
液晶サイズ:17.3インチ
価格:99,980円
CPU:Core i5-9300H
GPU:GeForce GTX 1650
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe対応
HDD:非搭載
Lenovo Legion Y7000 – ブラック(Lenovo)
液晶サイズ:15.6インチ
価格:103,957円(送料・税込み)
CPU:Core i5-9300H
GPU:GeForce GTX 1650
メモリ:DDR4 8GB
SSD:512GB
HDD:非搭載
GL65-9SD-046JP(MSI)
液晶サイズ:
価格:154,800円(税込)
CPU:Core i5-9300H
GPU:GeForce GTX 1660 Ti
メモリ:DDR4 16GB
SSD:256GB NVMe対応
HDD:1TB
Dell G3 15 プレミアム(大容量SSD・GTX1050搭載)(Dell)
液晶サイズ:15.6インチ
価格:104,980円 87,133円(送料・税込)
CPU:Core i5-9300H
GPU:GeForce GTX 1050
メモリ:DDR4 16GB
SSD:256GB NVMe対応
HDD:1TB
ROG Strix G G531GT(ASUS)
液晶サイズ:15.6インチ
価格:149,800円
CPU:Core i5-9300H
GPU:GeForce GTX 1650
メモリ:DDR4 8GB
SSD:512GB
HDD:非搭載
当記事のまとめ
当記事では、Intelのノート向けハイクラスCPUである「Core i5-9300Hの性能レビュー及び搭載BTOノートパソコン」の紹介を行いました。ノートパソコンでも性能にこだわりたいという方におすすめです。動画編集、RAW現像、ゲームプレイなど幅広く対応することができます。極端に負荷の掛かる作業を行わなければ日々の生活で性能不足に悩むことはなくなると思います。
注意点として、国内BTOメーカーではほとんど取り扱いがありません。唯一ドスパラの「GALLERIA GCR1650NF」が該当します。17.3インチと大型なので持ち運びには適しませんが、構成も充実しているのが特徴です。その他、Lenovoの「Lenovo Legion Y7000」やDellの「Dell G3 15 プレミアム」は最安値クラスのモデルとなっています。
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