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当記事では、Ryzen 7 5800X3Dの性能スペック及び搭載BTOパソコンについて紹介しています。デスクトップ向けCPU市場において競争が激化していてユーザーはより高い性能をより安く購入できる状況です。コア数・IPC・クロック周波数・そして性能とAMDとIntelが様々な領域において競争を続けています。
今回AMDは、新しい領域として3D V-Cash技術を採用しました。既存のCCDのL3キャッシュの上にL3キャッシュの層を積み重ねて96MBという大容量を実現しました。実にRyzen 7 5800Xの三倍ということになります。これによって高いゲーミング性能を期待できます。Ryzen 7 5800Xよりもクロック周波数が抑えられている分消費電力も控えめです。
(+) 3D V-Cache技術を採用した初めてのCPU
(+) 現行トップクラスの高いゲーミング性能を持つ
(+) 省電力性に優れている
(-) Ryzen 9 5900Xよりも高価
(-) 7 5800Xよりもクロック周波数が低い
(-) 動画編集やエンコードは苦手
(-) 搭載BTOパソコンのラインナップが少ない
Ryzen 7 5800X3Dの基本スペック
世代 | 第4世代 |
開発コード | Zen 3 |
コア/スレッド数 | 8 / 16 |
クロック周波数 | 3.40 GHz |
ブーストクロック | 4.50 GHz |
内蔵グラフィックス | 非搭載 |
L3キャッシュ | 96MB |
対応メモリ | DDR4-3200 |
TDP | 105W |
MSRP (国内価格) | $449 (58,800円) |
発売日 | 2022年04月20日 |
目次
Ryzen 7 5800X3Dのおすすめ用途
デュアル | 動画視聴 | 動画編集 | 動画投稿 | RAW現像 | マンガ | ゲーム |
☆ | ☆ | ○ | ○ | ◯ | ○ | ☆ |
デイトレ | 実況 | デザイン | DTM | Skype | CAD | ビジネス |
◎ | ○ | ○ | ○ | ☆ | ○ | ◎ |
Ryzen 7 5800X3Dのスペック比較
AMD製CPUと比較
7 5800X3D | 7 5800X | |
---|---|---|
コードネーム | Zen 3 (Vermeer) | Zen 3 (Vermeer) |
プロセス | 7nm | 7nm |
トランジスタ数 | 41.5億 | 41.5億 |
ダイサイズ | 81 mm² | 81 mm² |
I/Oプロセス | 12 nm | 12 nm |
I/Oダイサイズ | 124 mm² | 124 mm² |
コア | 8 | 8 |
スレッド数 | 16 | 16 |
定格クロック | 3.4 GHz | 3.8 GHz |
最大クロック | 4.5 GHz | 4.7 GHz |
オーバークロック | × | ◯ |
L3キャッシュ | 96MB | 32MB |
メモリタイプ | DDR4-3200 | DDR4-3200 |
CPU内蔵グラフィックス | 非搭載 | 非搭載 |
PCI-Express | Gen 4 | Gen 4 |
TDP | 105W | 105W |
PPT | 142W | 142W |
価格 (実売価格) | $449 (58,800円) | $349 (39,380円) |
発売日 | 2022年04月20日 | 2020年11月06日 |
定格クロックはRyzen 7 5800Xよりも10%低く、最大クロックも4%低いです。3D V-Cacheを採用したことで発熱量や消費電力を抑える必要があるため意図的に抑えています。L3キャッシュ容量は3倍の96MBとなります。CCDに搭載されている32MBに対して、上に64MBのL3キャッシュを積み重ねています。
対応メモリ・PCI-Express・TDP・PPTに変わりはありません。実際のTDPを見てもRyzen 7 5800Xと同等です。価格は$100アップで、実売価格では19,420円の差があります。Ryzen 9 5900Xの価格が54,980円なのでRyzen 9 5900X相当だということがわかります。
Intel製CPUと比較
Ryzen 7 5800X3D | Core i7-12700K | |
---|---|---|
コードネーム | Zen 3 (Vermeer) | Alder Lake |
プロセス | 7nm | 10nm |
トランジスタ数 | 41.5億 | - |
ダイサイズ | 81 mm² | 215 mm² |
I/Oプロセス | 12 nm | - |
I/Oダイサイズ | 124 mm² | - |
トータルコア数 | 8 | 12 |
トータルスレッド数 | 16 | 20 |
Pコア(スレッド) | 8(16) | 8(16) |
Eコア(スレッド) | - | 4(4) |
定格クロック(P) | 3.4 GHz | 3.6 GHz |
最大クロック(P) | 4.5 GHz | 5.0 GHz |
定格クロック(E) | - | 2.7 GHz |
最大クロック(E) | - | 3.8 GHz |
オーバークロック | × | ◯ |
L3キャッシュ | 96MB | 25MB |
メモリタイプ | DDR4-3200 | DDR5-4800 DDR4-3200 |
CPU内蔵グラフィックス | 非搭載 | UHD Graphics 770 |
PCI-Express | Gen 4 | Gen 5 |
TDP | 105W | 125W |
PPT | 142W | 190W |
価格 (実売価格) | $449 (58,800円) | $409 (57,980円) |
発売日 | 2022年04月20日 | 2021年11月04日 |
Core i7-12700Kのトータルコアは12(8Pコア+4Pコア)とRyzen 7 5800X3Dよりも50%多いです。トータルスレッド数は20でこちらはRyzen 7 5800X3Dよりも25%多くなっています。Pコアの定格クロックはCore i7-12700Kの方が6%高く、最大クロックもCore i7-12700Kの方が11%高いです。Eコアの定格クロックは2.7GHz、最大クロックは3.8GHzでPコアよりもかなり抑えられていることがわかります。Core i7-12700Kはオーバークロックに対応しています。
L3キャッシュ容量はRyzen 7 5800X3Dの方が3.8倍で96MBとなります。Core i7-12700KはDDR4-3200だけではなく、DDR5-4800にも対応しています。DDR5メモリの方が高いパフォーマンスを期待できます。Core i7-12700KはCPU内蔵グラフィックスを搭載しています。PCI-ExpressもGen 5.0に対応しています。TDPはCore i7-12700Kの方が20%高く、PPT(PL2)もCore i7-12700Kの方が34%高いです。
Core i7-12700Kの価格は$409です。実売価格は57,980円~となっています。Ryzen 7 5800X3Dよりも先に発売されていることもあって価格がかなり安いです。トータルバランスで見るとCore i7-12700Kは非常に優れたCPUだと言えます。
Ryzen 7 5800X3DってどんなCPUなの?
3D V-Cache技術採用でゲーミング性能が高い
出典:(AMD, 2022)
Ryzen 7 5800X3Dは、世界初の3D V-Cache技術を採用したCPUです。積層のおかげでダイサイズを大きくせずにL3キャッシュ容量を増やすことに成功しています。これによりCore i9-12900Kを上回るゲーミング性能を持ち世界最強のゲーミングCPUであることを謳っています。
これまでのZen 3アーキテクチャのCCD(Core Complex Die 81m㎡)の上に、64MBのL3キャッシュダイ(41m㎡)を積み重ねています。L3キャッシュダイの隣には放熱などの役割を果たすStructural Die(構造ダイ)が計二つ配置されています。ダイの積層にはHybrid Bonding(Direct copper-to-copper bond)が採用されていて、貫通シリコンビア(TSV)で接続されています。
CCD自体は従来モデルのものよりも薄く設計されていて、L3キャッシュダイを含めても従来のZen 3ダイと高さは変わりません。CPUクーラーやSocket AM4のマザーボードとの互換性があるのはメリットです。AMDは、Zen 3アーキテクチャのリリース時からすでにこの3D V-Cacheが想定されていたのではないかと思います。
スペックが控えめでエンコードなどは苦手
すでにスペック表で見た通り、Ryzen 7 5800X3DはRyzen 7 5800Xよりもスペックが抑えられています。具体的にはクロック周波数が4%-10%低いです。また、オーバークロックにも非対応です。これは3D V-Cacheを搭載していることで仕方のない部分です。クロック周波数が高かったり、CPUの電圧が高かったりすると3D Cacheにダメージを与えてしまう可能性があるためです。
クロック周波数が抑えられていることでゲーム以外のほとんどの用途ではRyzen 7 5800Xよりもパフォーマンスが低いです。また、コア・スレッドの多いCore i7-12700Kに完敗です。価格的にはCore i7-12700Kと同等なので、ゲーム+αで考えている場合はCore i7-12700Kが有力な選択肢となります。予算を抑えたいならRyzen 7 5800Xも良いと思います。
搭載BTOパソコンのラインナップは僅少
Ryzen 7 5800X3Dを搭載したBTOパソコンのラインナップはかなり少ないです。TSUKUMO・パソコンショップセブン・アプライドネットで取り扱いがあります。Ryzen 7 5800X3Dは特殊なCPUということもあって今後もラインナップが増えない可能性が高いですね。ドスパラ・パソコン工房・マウスコンピューターなどの主要BTOメーカーで取り扱いがないことがそれを物語っています。
Core i9-12900K・Core i7-12700Kであればそれなりに高いゲーミング性能を持ちつつ、クリエイター作業でも高いパフォーマンスを発揮します。今どきゲームだけをプレイしたいと考えるユーザーは少ないのではないかと思います。Ryzen 7 5800X3D自体非常に面白い製品ですが、それほど伸びることはなさそうです。次世代モデルに期待したいところです。
Ryzen 7 5800X3Dのベンチマーク
Cinebench R23
Adobe Photoshop
Premiere Pro CC
動画エンコード
Zipファイル
Ryzen 7 5800X3Dのゲームプレイ時フレームレート
Borderlands 3
Far Cry 5
Cyberpunk 2077
Ryzen 7 5800X3Dのその他ベンチマーク
温度
消費電力
Ryzen 7 5800X3D搭載のおすすめBTOパソコン
G-GEAR GA5A-D221/B(TSUKUMO)
価格:244,600円(税込)
CPU:Ryzen 7 5800X3D *カスタマイズ
GPU:GeForce RTX 3070
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:1TB NVme
HDD:非搭載
ZEFT R36X3D(セブン)
価格:296,780円(税込)
CPU:Ryzen 7 5800X3D
GPU:GeForce RTX 3070 Ti
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
ZEFT G38ACVRC(セブン)
価格:339,680円(税込)
CPU:Ryzen 7 5800X3D
GPU:GeForce RTX 3080
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
当記事のまとめ
Ryzen 7 5800X3Dの性能スペック&搭載BTOパソコンについて紹介しました。Ryzen 7 5800X3Dは、すでに販売されているRyzen 7 5800XのL3キャッシュを強化したモデルと考えるとわかりやすいです。世界初の3D V-Caceと呼ばれる技術でCCDの上に64MBのL3キャッシュダイを積層しています。ダイの積層にはHybrid Bondingが採用されています。トータルのL3キャッシュ容量はRyzen 7 5800Xの三倍の96MBとなります。このL3キャッシュのおかげで高いゲーミング性能を発揮します。Ryzen 7 5800Xよりも10%もゲーミング性能が向上しています。Core i9-12900Kと同等のゲーミング性能を持っていると言えます。
Ryzen 7 5800X3Dを搭載したBTOパソコンはそれほど多くありません。当ページでは三つのモデルを紹介しています。Ryzen 7 5800X3Dの高い性能を考えると70番台や80番台のグラフィックボードと合わせたいですね。ゲーム以外の用途での使用を考えている場合はRyzen 9 5900XやCore i7-12700K搭載モデルが候補に上がるでしょう。同等の価格ながらゲーム以外の用途においてはより高い処理性能を持っています。
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参照外部サイト
- AMD 3D V-Cache™ テクノロジー(AMD, 2022)
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おすすめのゲーミングPC及びゲーミングノートPCを紹介しています。ゲーミングPCマガジンはゲーミングPCに特化したカテゴリーです。
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価格 | ショップ |
5万円以下、5万円-10万円等 | ドスパラ、パソコン工房等 |
CPU | グラフィックボード |
Core i7-12700、Core i5-1240P等 | RTX 3070、RTX 3060等 |
当ページベンチマークテスト環境
- ソフトウェア:Windows 11 Professional 64-bit
- グラフィックス:EVGA GeForce RTX 3080 FTW3 Ultra
- メモリ:2x 16 GB DDR4-3600
- ストレージ:Neo Forza NFP065 1 TB M.2 NVMe SSD
- CPUクーラー:Arctic Liquid Freezer II 360 mm
- 電源ユニット:Thermaltake Toughpower GF1 1200 W
- マザーボード:MSI MPG X570 Gaming Plus